平成21年7月17日(金)
知多市市民活動センター会議室1
第3回 イメージキャラクターを用いた広報
( 講師:NPO法人エンドゴール 大久保智規 )
【 エンド・ゴール 】
・エンド・ゴール=最終目標。
・目標は若者の支援。‘ニート’対象(15~39才)就職を紹介する。
厚生労働省の委託事業「地域若者サポートステーション」全国77箇所 (現在92箇所)
平成20年4月~受託
【 キッカケ 】
就職氷河期と呼ばれる時期にファッション関係に就職する。 就職率が大卒の6割しかないにも関わらず、就職しても3年以内で会社を辞める若者が多数。 大久保氏も低給、且つキャリアアップが見込めないと思い3年で退社する。キャリアコンサルタントに相談するが、年配であからさまに職安の天下りの担当者が話を聞くだけで、辞める方が悪いと言われる始末。 相談できるところがないと実感。 また、フリーターやニートのフォロー体制が出来ていないことに気付く。 悩みを共有できる自分なら出来ると27歳のときにボランティアで立ち上げ共感を得る。 「相談の乗れる所を各地に作ろう!」という理念の下、NPOを立ち上げ1年後の28歳時法人枠を取るが、人脈・経験がなく仕事には繋がらなかった。
【 失敗から学ぶ 】
女性のキャリア形成セミナー開催。ターゲットは20代後半から30代の派遣・未婚のつまづき層とよばれる世代。 (つまづき層とは…安価でも遠いと来ないが、自己投資意欲が高い世代ゆえ近いなら高価でも参加)
\3000/回、講師・会場共におしゃれで最先端な6回の講座を企画、受講者で会場が溢れんばかりとほくそ笑んでいたが蓋を開けたら<6→4→2→2→2→2人>。 セミナーのリサーチや内容は完璧なのになぜ失敗した? 問題意識のない人に問題意志を持ってくれと伝えたところで目に入らない存在であり、また来所者は支えようと思う関係者であって内容を見ていない。
失敗のパターン →→ 告知という情報のみ →→ やることの中に大義名分が必要
・発したい情報をキャッチしてくれない…良いことでも押し付けだけの広報は一方通行。
・必要と感じてない人たちに行きたくさせる仕掛けをしていない…対象者の反応するものをみていない。
・PRが自分達の活動報告になってませんか?
【 若者サポートステーションへのイメージ 】
来所の9割が発達障害・精神障がいの人たちで、引きこもりの人たちの居場所というイメージがついた。
厚生労働省の委託事業だが、就職活動のちょっとしたハローワーク(相談の場)機能がありながら、本来の目的に合わせた長期プランを立てていないため利用者が増えない。
対策 →→ 目標:日本一になる
・カリスマを作る・・・「ニートの兄貴の大久保さん」→気持ちのわかる人として自分が広告塔になる。
ニート(働きたくない人)に就活をPRしてもヒットしない。ニートにはニートという言葉が響く。
・インターネットを使った広報・・・若者とくにニートにとってPCは必需品、情報収集のツール。
★ただし、ネット情報は膨大なのでわかりやすく! また就職しよう!には反応しないことに注意
・楽しいところに人は集まる
☆おもしろいことをしているイメージ作り…ニートには女子キャラ(知多みるくちゃん)
=NPOつまりサポートステーションが女子キャラを発信するという違和感のある組み合わせが反響を呼んだ。
☆サポート件数 3~4件 キャラ登用後 5倍。
☆「知多みるく」が新聞に掲載後 インターネット検索 7万件/日
【市野の感想】
どんな団体であっても広報ほど難しいものはないと思う。ましてや自己PRが下手で侘び寂をこよなく愛する日本人にとって苦手な分野かもしれない。
デザインと紙面への情報量の割合、ターゲットの絞込みとリサーチ、これらを広告代理店というプロ級と張り合うことは出来ないが、NPOが出来る最大の武器、人と人とのつながりを大切にすることを忘れずに輪を拡げていかなくてはいけないと思う。